日本で大人気のカピバラはブラジルでは不人気な理由

日本では水族館や動物園でかわいい動物として人気です。
カピバラが温泉に入っている光景はニュースにも出てくるくらいだし、
動物園や水族館の餌の時間にはたくさんの人だかり。

さらに、なんと！日本にはカピバラ・カフェなるものも
存在するのですね。

 

この投稿をInstagramで見る

 

cafe capyba（カピバラカフェ）capybara cafe in Tokyo(@cafe_capyba)がシェアした投稿

日本にはたくさんの動物カフェがありますね。

ブラジルのカピバラとの遭遇体験

先日、学校の保護者会が夜にあり、家に帰る途中の
道を運転していたら、とある動物が車道をノソノソと
横切っていたんです。

「犬にしては太ってるなーなんか野生動物かな？」と思い、
少しスピードを落とし、目を凝らして見ると、なんとカピバラでした。
小さい小川の方に入っていきました。

人が管理している公園などの湖では何回か見たことはあるのですが、
住宅近くで見たのは初めてでした。

南米のげっ歯類カピバラの生態について

カピバラの生息地はチリをのぞく、南米中の川、湖、湿地です。
10～30頭の群れで生活します。
日中は水につかっていることが多く、午後から夜中にかけて餌を探します。

世界最大のげっ歯類で、草食動物です。
体重91kg、体長1.2m、高さ60cm
ブラジルでは割とどこでも、野生で見かけやすい動物の一つです。
１歳半から妊娠可能、赤ちゃんの妊娠期間はげっ歯類最長期間の１５０日で、
一度の出産で、平均４匹の子どもを産みます。
赤ちゃんの体重は約1.5キロで、寿命は約12年。

「カピバラ」の名前の由来

先住民の言葉の一つである、トゥピ・カピワラ語で、
「草をたべるもの」の意味があります。

タピオカ、カピバラ。ブラジルにはたくさんの先住民の言葉
が起源の言葉がたくさん残されています。

ブラジルの地域によって違う呼び方もたくさんありますが、
「カピバラ」は一般的に知られています。

ブラジル人にとってカピバラといえば

日本での人気とは裏腹にブラジルでは意外に不人気なのです。

カピバラ＝カハパット

の図式が出来上がっており、

というブラジル人に一度もあったことがないのです。

カハパットとは

Carrapato（カハパット）とはマダニの一種で、家畜をはじめ、野生動物にも寄生します。
ブラジルでは蚊に次いで、危険な虫として認識されています。
この病原体を持っているダニに刺されると、「紅斑熱」という致死性の高い病気を引き起こします。

紅斑熱とは

昨年、お隣のカンピーナス市の農場で紅斑熱による死亡が相次ぎ
話題になりました。外務省からも注意喚起が出ました。

１　カンピーナス市ジョアキン・エジディオ区のサンタ・マルガリータ農場で、
５月２７日に開催されたイベントに参加していた４名
（３６歳女性、４２歳男性、２８歳女性、１６歳女性）が、
ダニ媒介性紅斑熱に罹患して死亡しました。
同じイベントに参加した４０歳女性と同農場で
６月３日に開催されたイベントに参加した３８歳女性が
ダニ媒介性紅斑熱感染疑いで入院精査中です。

２　６月１４日、カンピーナス市は、ジョアキン・エジディオ区内でのイベント開催時に
危険なダニが生息している旨を周知する看板を設置することを義務づけるなどの対策を講じました。

３　このダニ媒介性紅斑熱は、紅斑熱群リケッチアに属する細菌（Richkettsia rickettsii）による感染症です。
自然界では、ダニ、げっ歯類などの間で感染環が維持されています。
この病原体を持つダニに刺されることでヒトに感染します。
潜伏期間は３～１２日で、
頭痛、全身倦怠感、高熱などで発症します。
高熱とほぼ同時に、紅色の斑丘疹が多発します。
手足から広がり部位によっては点状出血を伴います。

４　上記を参考にして頂き、農場を訪問する際には、
肌の露出を避けるために長袖、長ズボンを着用し、
十分ご注意ください。
また、野生のカピバラなどのげっ歯類には、直接触れないようにしてください。

ブラジルではペットの散歩も要注意

草の茂みに生息するので、犬の散歩のときは手入れされていない
茂みには入らせない、毎月ダニ除けの薬をつけるか飲ませる
対策が必要です。

飼い犬と違って、野生のカピバラは薬なんて与えることも
できないから、どうしようもないですね。近づかないようにするしか。

ブラジルでカピバラを見るときの注意点

日本ではダニのいる環境で育てられていないので、安全なカピバラですが、
ブラジルでカピバラに遭遇したら、触らず、遠巻きに見て楽しみましょう♪

カピバラに触ってみたい、という方は日本のカピバラ・カフェの
ような所の方が安全に触れ合えると思います。

カピバラはペットとして飼えるのか

日本で飼えることは飼えるようですが、飼育環境、餌代を考えると
難易度が高めです。

日本とブラジルでのカピバラについての印象や人気はだいぶ違いますよね。
ブラジルではマダニによる感染症が恐れられているため、カピバラには
安易に近づくものではない、と考えている人が多いのです。