みなさん、お久しぶりです。4月になり、日本では新生活をスタートされる、
また4月から初めてのブラジル赴任や生活をされるという方も増えますよね。
ブログでも頑張ってブラジル新生活に役立てる記事の更新を
しばらくしていきたいと思います。
ブラジルの現地校での新学年スタートは2月で、我が家は一足先に新生活をスタートさせています。
実は幼稚園で1回、小学校で1回学校を変えたことがある我が家。
転校した理由や経験を元に、ブラジルの学校探しのポイントをお伝えします。
ブラジルの学校は大別して公立(国立/州立/市立)、私立学校があります。
公立の学校(Escola pública)
最大のメリットは公立の病院と同じく、学校の学費は無料です。
学校で使う文房具もすべて支給される市もあります。
また、ブラジルで国立や州立の大学進学したい場合は公立の高校
進学者は少し有利になります。
ブラジルでは公立よりも私立に行かせた方がよい
確かに公立と私立では設備や教育内容などかなりの差があります。
公立に行くしか選択肢がない家庭もあるのはもちろん、のことですが、
家庭の収入、教育方針によって変わることなので、一概に私立か公立の
どちらが良いかは言えないと思います。
公立に行かせ、その分他の習い事にお金をかける、という家庭もあります。
駐在のお子さんはブラジルの現地公立校に通う、ということはほとんどないですが、
ブラジルでよい私立校を選ぶときのポイントにもつながりますので、
以下からじっくり読んでいただきたいと思います。
日本人学校
駐在員のお子さんで小学1年生以降はここに通われている方が多いです。
日本に帰国した際に、公立の学校に通うことをが前提の場合、
海外にいても日本の学校と同じ教育システムで、
日本から派遣された教員の先生から学べます。
ポルトガル語を勉強する時間も少しあるそうです。
給食がなく、お弁当持参ということなので、
その点は親御さんはなかなか大変だと思います。
駐在員家族集住地区から民間委託のスクールバスが出ています。
サンパウロは日本式の塾なども充実しているので、
日本に戻った後の進学に関しての学習サポート環境はとても良いようです。
サンパウロ日本人学校は通称「サ日校(にちこう)」と呼ばれているよ。
世界の日本人学校の中でも敷地面積が広く自然豊かな学校として知られています。
運がよければ僕が見られることも!
入学ができない、ということはないようですが、
永住者の子弟が日本人学校に通う、ということは大変珍しいです。
ブラジルには「日本語学校」もあります。
違いは、「日本人学校」は日本と同じ公立の学校、
「日本語学校」は日本語をブラジル人が学ぶための語学学校です。
私立学校(Escola Particular)
インター、バイリンガル学校に属さない現地のポルトガル語メインの学校です。
ファビとカルロスはここに通っています。
月謝は本当にピンキリで、600~2,500レアルくらいが相場だと思います。
ブラジルでは月謝が高い私立の学校=教育の質が良いとは限りません。
月謝の高い学校は設備や宣伝費にお金をかけて、
教育や保護者のサービスを疎かにしていることもあります。
学校でも「お金もちだから手に入る」ドラッグ使用者の中高生がいたり、
お金持ちで鼻高々な保護者と話しが合わない、というママ友の話もよく聞きます。
ブラジルは格差社会です。子どもにとっても保護者にとっても
同じような家庭環境で育った友達がいる環境が1番なじみやすいのではないでしょうか。
世帯収入や予算にあった学校を選ぶのが大事なのはその点です。
永住者の場合、学校の選択肢が多い分、ブラジルの学校選びって結構難しいんです。
駐在の方は以下の学校に選択肢が絞られると思うので参考にしてくださいね。
インターナショナル校(Escola internacional)
日本や他の海外を行ったり来たりする環境にある、
日本に帰国予定の子弟や永住でも金銭的に余裕があって、
英語教育や国際的感覚を身につけさせたい場合は良い選択だと思います。
日本人学校と違うのは、日本人学校はほぼ日本人子弟しかいないのに対し、
インターはブラジル人や外国人様々な国の生徒がいますので、
ポルトガル語はこちらの方が身につくかもしれません。
宿題が多く、保護者も英語ができないと大変なので、英語を習っています。
親と子どもがストレスにならないか、自分の子どもに合っているかを
考える必要があります。
大都市部しかないのと、学費が高いのは日本と同じです。
ブラジルの学校と夏休みなどの長期休暇時期が違う場合があります。
英語系バイリンガル校 (Escola builingue)
最近ブラジルで増えているのが英語バイリンガルの学校(Escola builingue)です。
理数系の科目を英語で教え、文系の科目をポルトガル語で教えます。
また、バイリンガルの学校でなくても「バイリンガルシステム(sistema builingue)」を
取り入れる学校も近年増えています。
バイリンガルシステムの学校は英語の授業が増えるだけで、通常の科目はポルトガル語で教えます。
郊外でも増えているので、英語教育に力を入れたい保護者には人気です。
このようなインターナショナル・バイリンガル校は月謝が
2,000〜5,000レアル以上することがほとんどです。
もちろん都市部ほど高額月謝となります。
日系バイリンガル校
小学部まであるところはサンパウロでは平成学園くらいしかないと思います。
日系の幼稚園はサンパウロやブラジル国内でも日系人が多い都市部にいくつかあります。
先生も日本語ができる方が多く、駐在員ご家族の幼稚園児をお持ちの方は
子どもを通わせている方が多いです。
午前から午後まで1日預かってくれるところもあるようなので、
日本人子弟だけでなく、日本語や日本文化に慣れ親しませたい日系人子弟も
多く通っています。ポルトガル語も分かるようになるようです。
ブラジルでの学校の探し方
ママ友や公園で学校情報収集
同じくらいの年齢を持つママ友がいれば、学校の評判や口コミを聞いてみましょう。
初めて住む市、誰も知り合いがいないからどこの学校がいいか分からない、という場合、
公園で同じくらいの年齢を持つママに聞くのも手です。
実は、公園で何回かブラジル人ママに話しかけられたことがあります。
引っ越してきたばかりなんだけど、この辺で評判のいい学校ってどこ?
実際子どもを通わせてるママの口コミを聞くのが一番!
グーグルマップの学校口コミ
子どもたちが以前いた学校や市内の他の学校の口コミもよく見ているけれど、
個人的には割と信用度は高いと思っています。
ママ友から直接聞く学校の評判、口コミは大体が一致している感じ。
特に、その学校のどの点が満足、どの点が不満か保護者の忌憚なき
コメントは参考になります。
世帯収入に見合った予算の学校を選ぶ
公立か、私立か、サンパウロ大都市圏は高いです。学校にもよりますが、サンパウロ郊外の学費はだいたいサンパウロの半分くらいです。
ブラジルの学校見学時に見るポイント
何校でも気になった学校があれば予約して、実際に見学に絶対に行ってください。
ブラジルでは学校イベントや保護者会以外、授業参観などほとんどありませんし、
保護者が校内に入れる機会は日本よりずっと少ないので、学校内を隈なく見られるチャンスは
学校見学の時だけだと考えた方がいいでしょう。
学校入り口のセキュリティ
警備員や職員がいるか、校内へ部外者が簡単に入れないようになっているか確認することはとても大事です。
ブラジルでは誘拐やドラッグの売人が学校へ侵入することもよくあるので、
子どもが登校する入り口周辺の設備と人員をよく確認します。
公立より私立が良いと言われるのは特にこのセキュリティの面です。
教育コーディネーターのコミュニケーション力
ブラジルでは幼稚園から高校まで教育コーデイネーター(coordinador(a))という
教師と保護者をつなぐ役割をする先生がいます。
学校見学で案内してくれるのもコーディネーターです。
普段の出欠席の連絡や子どものことに関する相談や依頼はコーディネーターに連絡をします。
学校の担任の先生は学期ごとの保護者会でせいぜい話ができるくらいですが、
学校のコーディネーターは担任の先生よりも数年間付き合うことになるので、
人柄、保護者の質問にきちんと答えてくれるか、
コーディネーターとはどんな連絡方法があるのかを見学時によく判断するのがいいです。
学習環境
明るさ、展示物、空調設備、机やいすの高さは年齢に見合っているか
月謝、教科書・教材、軽食、授業時間で計算
月謝は教材費やおやつを含んでいる学校、月謝とは別に教材費やおやつを別払いで払う学校があります。
教科書や教育の内容
学校によって様々で全然違います。教科書は時代に合った内容か、自分の子に合いそうかをよく見ます。
我が家が2度学校の転校を決めた理由
- 私立幼稚園 ファビが2歳から3歳までいた幼稚園。小さい校庭、教室だけある小規模な幼稚園。校長がコーディネーター業を一人で兼任しており、連絡しても返事が遅れることがあった。ファビは先生の名前も友達の名前も全然覚えなかった。台所に衛生的な問題があった、教師があまり子どものことを見ていないと退職した元職員の口コミがあった。
- 私立小学校 ファビが3歳から小学2年生までいた学校。カルロスは3か月のみ登校。学校全体の評判もよく、幼稚園部までは良かった。しかし、小学部に入ってから、コーディネーターは学習のアドバイスは何もしない、教育者らしからぬ回答が返ってくるなどの不信点があった。また、学校全体の職員同士のコミュニケーション、伝達不足を明らかに感じた。教科書のミスがきちんと改訂されていない、高い月謝とサービスが全く見合っていない。教育サービスの向上よりも設備や宣伝費に費やされ、バイリンガル教育導入により月謝が倍になったことを機に転校を決意。
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ブラジルの学校制度について
特に、日本と違う点について解説します。現地公立、私立校に通わせたいに方は参考にしてください。
ブラジルの学齢と年齢
日本の義務教育の定義
日本では、満6歳の誕生日以後の最初の4月1日から9年間(満15歳に達した日以後の最初の3月31日まで)が該当する。
ブラジルの義務教育も日本とほぼ同じ小学校、中学校の9年間です。
保育園・幼稚園 (0歳~5歳)
小学校 1年生~5年生 (6歳~10歳)
中学校 6年生~9年生(11歳~14歳)
高校 1年生~3年生(15歳~17歳)
小学生は制度上は6歳~となっていますが、
実際は満5歳の誕生日以後の最初の7月1日から
翌年6月31日の子どもたちが小学校1年生になっています。
つまり、ブラジルでは3月から6月生まれの子は5歳で1年生になってしまいます。
日本でいう1月から3月生まれの早生まれに該当します。
1年生に上がると特に早生まれの子は差を感じやすいかもしれません。
ブラジルでは4歳からが努力義務教育です。
4歳からは幼稚園に通わせないといけないことになっています。
例 2024年時点
ファビ 中学6年生 2013年1月生まれ 2012.7.1-2013.6.31生まれの子と同学年
カルロス 小学2年生 2016年11月生まれ 2016.7.1-2017.6.31生まれの子と同学年
ちょっと複雑なのですが、ご理解いただけましたでしょうか。。。
別に計画して産んだわけではないですが(笑)幸い二人は日本でもブラジルでも同じ学齢です。
4月から6月の生まれの子はブラジルでは日本より一つ上の学年になります。
5歳で1年生になる生徒が一部いること、学齢が新学年とずれていることは
ブラジルでも賛否両論があるので、そのうち制度が変わるかもしれません。
現に歴史上ブラジルの教育制度はころころ制度が変わっているので。
ブラジルの新学年は2月スタート
ブラジルでは新年とともに新生活スタートが多く、学校の進級は2月です。
3学期か4学期制で、7月は1か月の冬休み、12月中旬から1月下旬までは夏休みです。
ファビは日本でも小学校6年生になるのですが、
日本の6年生よりも2か月早く6年生になった、ということです。
しかも、ブラジルは6年生から中学生なので、ファビは中6です。
学習時間
基本午前か午後の2部制ですが、学校によって全日制のところもあります。
月謝を倍額払えば1日いられる学校もありますが、
午前午後のどちらかは勉強、半日は課外活動や遊びになります。
制服
学校指定の体操服のみで楽!フォーマル制服なし。
送迎とスクールバス
徒歩通学が認められているのは11歳以上のみ、それ以下の子どもは車などで保護者が送迎する必要があります。
それができない場合、個人のスクールバスやバンと契約することになります。
日本のように幼稚園がスクールバスを持っていることは稀です。
学校設備
ブラジルに住んで改めて思ったことは、日本の公立の学校サービスはいかに素晴らしいものだったか、ということです。
調理室、音楽室、体育館、ピアノ、プール、広い校庭、様々な楽器や
体育器具や用具。医療検診、安価な給食、無料で誰でも参加できるクラブ活動、課外活動。
日本にいたときは当たり前だと思っていたこと。ブラジルでは当たり前でないので、
こんな環境で勉強できたことに感謝です。
ブラジルではこんなに全部そろっている学校は私立学校でさえも珍しいです。
教室、小さい校庭だけ、という私立幼稚園もざらにあります。
ブラジルで8年間現地校を見てきて感じていること
ブラジルの学校のここが不満!
- 公立学校を日本並みのサービスや設備を国全体で統一して欲しい
- 私立は教育費がかかる、費用の割に日本に比べたらに合っていない教育サービスと設備
- 送迎大変
- 放課後アフタースクールや課外活動がもっと欲しい
- 小学生の歴史、地理、理科の内容が難しすぎる
- 社会見学や観察の体験系課外活動の時間はほとんどない
日本と比べたら切りがないのですが。。。でもどちらにもそれぞれいいところがある!
ブラジルの学校のここが満足!
- ブラジル社会全体に言えることですが、子どもは先生からとても愛される。
- 先生との距離が近い、スキンシップが多い
- ブラジルの学校で教えられる教科の教育内容も個人的には満足
- 学校に不満があったり、子どもに合わなかったりしたら、学期の途中でも、
学校を転校するのは日本よりも簡単 - いじめ防止教育、他者多様教育に力を入れている
- PTAなど保護者が学校に協力しないといけない面倒なことがない
- 体操服が制服だから選択が楽、クリーニング代がかからない
- 弁当を作らなくてもよい
転校を経験して、今の学校のここが気に入っている!
- 施設が綺麗なのに月謝は他学校より適正価格
- キリスト教を通じた人間教育に力を入れている
- 職員、先生、保護者同士の密な情報共有や挨拶
- 保護者の不満意見は改善としてすぐに実行してくれる
- 常にアップデートされた教科書の内容
裏返せば、以前の小学校はこうでなかったということです。
少し長くなりましたが、それぞれの学校のメリットデメリットや
ブラジルの基本的な学校制度について解説しました。
学校は家庭の次に過ごす時間が長い場所です。
みなさんのお子さんに合う学校がブラジルで見つかることを祈っています。
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