みなさん、こんにちは！毎週のように日本から「大丈夫？」の声が届いております。わたしたちは少なくとも元気ですが、ブラジルは「大丈夫じゃない」です。政治、経済、医療崩壊中です。
6月30日 ブラジルコロナ最新情報
- 感染者数 140,2041人 死亡者数 59,594人
- 7月14日まで外出自粛を延長。3月23日より6回目の延長。
- 7月1日から、公共の場でマスクを着用していない人に、524.59レアルが罰金として科せられる。
- 麻酔や薬、人工呼吸器などが医療現場で不足気味。
教育現場も色々と大変です。
3月23日からサンパウロ州、サンパウロ州内の公立と私立の幼稚園・小中学校でずっと休校が続いています。すでに3か月。
休校措置はさらに８月末まで続き、９月から再開することを州政府が発表しました。それも通常通りではありません。小人数制で、ルーティーン授業になるため、結局1人週に1回しか学校にいかないことになります。3段階を踏んで、再開となる見込みです。
自宅学習となったことで、特にストレスを抱えている親が多いです。そしてどの学校がどうだとかこうだとか常に情報が入ってきます。
ブラジルでは子どもたちが休校中、どのように勉強しているのか？ママたちの本音は？
私立学校の対応は見事に二分化
休校後、すぐにオンライン授業に対応や月謝割引をした学校とそうでない学校、見事にその差が現れました。生徒のことをきちんと考えている学校なのか、誠意のある学校なのか、はっきりと分かれたと思います。ちなみにファビとカルロスが通う学校では常識では考えられないほどの計画不足、保護者への伝達不足で、私も学校側に何度も改善や要望をしましたが、あほんだらな答えしか返ってきません。対応が悪い学校の事例として紹介したいと思います。幼稚部から高校部まである私立学校で、仮名A学校とします。ファビ小学2年生、カルロス年少組です。本日のブログは「日本人の価値観から感じる」愚痴がだいぶ入ります。
オンライン授業
グーグルミ―ティングやzoomを使用し、授業をしているところがほとんどです。オンライン授業をしているところもあれば、先生が教室で授業を録画し、生徒に送るという方法を撮っている場合もあります。オンライン授業の場合でも、授業は録画され、後から繰り返し好きな時間に見ることもできます。生徒たちに学校の習慣とけじめをつけさせるため、受講時は制服着用を義務付ける学校もあります。早い学校では4月の段階からオンライン授業に切り替えられました。
A学校は、コロナの影響が長引くことも計画せず、再開後の生授業にすべて還元する、とこだわり続け、3～5月まで一切オンライン授業なし。当初の再開予定だった7月の学校再開後に土曜日登校と平日の授業時間数を1時間増やす事で解決する予定でした。しかし、7月も到底再開できないので、7月から学校の時間割通り、制服着用で半日オンライン授業をすることになりました。
テストと課題
休校中の対応について、ブラジルはオンライン化が日本より進んでいる、と思われるかもしれません。確かにそうですが、ここまで休校となると、オンライン授業をしないと進学できない恐れがある、というブラジルの教育事情があります。ブラジルのほとんどの私立学校では、小学1年生から落第制度があります。出席日数はもちろんのこと、一教科でも規定ポイントの成績以下を取ると、追試や補習となります。
休校中もオンライン上で課題の提出、テストがあります。
A学校はオンライン授業も7月のオンライン授業でテストや課題も本格的なものになると思われます。それまでは質の悪いプリントが毎日PDFでポルトガル語、算数が各1枚ずつ送られてくるだけでした。
私立学校に月謝割引を請求できる
休校中は印刷代や光熱費がかからない分、私立学校は授業料割引をするべきだとprocon(プロコン)が通達しました。
Procon determina que escolas particulares ofereçam desconto nas mensalidades
プロコンとはブラジルの国民消費者センターのようなところです。企業のサービスの不履行などについて、プロコンに相談、苦情をすると、プロコンからその企業に対して、改善命令がされます。
A学校は多くの保護者がプロコンに月謝割引がないことを苦情しているようです。にもかかわらず依然として、校長は月謝割引を1レアルもする気がないことを、先日ビデオメッセージで表明しました。その理由が
「水泳などの部活や食堂の収益がなくなって学校全体の収益が３０％も下がったし、オンライン授業のための新しい設備の購入も必要になったから理解してほしい」
水泳の部活はオプションだし、食堂も一日学校いる生徒しか使ってない。生徒全員には全然関係のない言い訳。今年は母の日やフェスタジュニーナの大きなイベントもなかったし、では普段わたしたちが払っている割と高いお月謝は一体どこへ？
学校から送られてくるプリントも家で印刷してるのに！
各家庭のオンライン学習環境の問題
学校側がオンライン環境の整備を急ぐ一方で、家庭でもオンライン学習環境の準備に大変な様子でした。
ママたちの声
- 先生が田舎の自宅や別荘で授業をやるときは時々ネットが落ちる
- きょうだいと授業時間が重なると端末が複数ないと困る
- 幼稚園児は子どものそばについてウェブの操作など大人のサポートがいる。自宅でテレワークしている共働き世帯はこれが大変。完全につきっきりでは見てあげられない
- テレワークでパソコンを使うから、子どもはタブレットか携帯でしかオンライン授業が受けられない
- プリンタがない！ウェブカメラがない！買わないといけない！
わが家の場合ですが、ファビがパソコン、カルロスが携帯を使ってやっています。ファビとカルロスのオンライン授業が10分間かぶるため、別々の端末でしなければなりません。夫は週の数日テレワークですが、職場で使っているノートPCを家に持って来られているため、3人それぞれなんとかなっている状況です。オンライン授業に向けて、ヘッドフォンを買い足しました。ちなみに10年使った日本のプリンタも壊れたので新調しました。もし夫の職場からPCを貸してもらえていなかったらタブレットか何かも買わなければいけないところでした。
自宅学習の環境を整えるため、どこの家も出費が増えたと思います。
休校後・来年は学校間の大移動が起こるかも
今回のパンデミックで、公立の学校が割とすぐにオンライン授業化に早く対応しました。私立校が良い対応、悪い対応に二分化したことで、私立校から市立、州立の学校へと転校を希望するようになった人が増えたようです。私ははもうずっとコロナが起こる前からA学校の小学部の対応サービス、教育の質に疑問を持っていました。このコロナの対応でさらに不信感を持ったので、来年からは空きがあれば他の学校に転校させたいと思っています。コロナ期でももちろんきちんと対応をしていて、教育内容も良さそうだな、と思っている候補の学校が２校あります。しかし、どの学校も今後どうなるかまだ分からないパンデミックの対応で追われて、来年の入学手続きのことを考える余裕はない状態です。
A学校は生徒のために何もしない、保護者の声にも耳を傾けないにもかかわらず、2021年の入学募集をしてましたからね、びっくりですよ。それを保護者から指摘されて、「間違えました」って。。
ブラジルの教育的価値感のズレに気づいてしまった瞬間
ブラジル人ママたちのリアルな本音
オンライン授業は小学2年生にはまだ早すぎる！
でも学校が今できることはオンライン授業しかないよね？
半日ずっとオンライン授業なんてハードすぎる！
オンラインに変わっただけで、学校では普通に半日でしょ？
B学校は宿題の量が多くて大変だから、Aちゃんを市立の学校に転校させたいけど空きがないみたい
え？その量で多いというの？むしろ多い方が良くない？だって日本では夏休み普通に宿題あるし。うちはそのB学校に転校も検討してるから、その子が辞めて空きが出てくれればちょうどいいわ。
土曜日も学校なんて！もう先の予定があるのに
え？私が小学校のときは低学年まで土曜日も学校行ってたけど、別に嫌じゃなかったよ。その先の予定もどうせコロナが続いたらなくなるのでは？
ねーねー、なんだか最近ママ友たちと意見が合わないんだけど、これはもしかしてわたしが日本人的な教育の考え方だからなのかな？
そうだよ！summereyesちゃんにとっては当たり前だったことはブラジルでは当たり前じゃないんだよ。
私は月謝の割引がないことももちろん不満ではあるけれど、数か月の間、子どもたちの学力が遅れ、きちんと対応している学校の子どもたちと学力の差がでることの方が心配しています。ブラジルコロナのこの状況では下手したら、半年間も自宅学習ということにだってなるかもしれません。
厳しいことを言います。
オンライン授業でも集中できない子は学校でもおそらく集中力がないと思うけどね？
ブラジル人ママたちから子育てや教育についてよく聞かれる言葉
まだ小さい、かわいそう
やってみなければわからなくない？
子どもの可能性や自立を子どもの年齢で決めつけたり、「かわいそう」、という考え方が私は大っ嫌いです。過保護、とはまた少し違いますが、ブラジルは残念ながらそういう考え方の親が多いように思います。教育に対して厳しい親が少ない。何がかわいそうなの？自立させないことの方がよっぽどかわいそうじゃないの？
わが家では4歳からファビに包丁も使わせてるし、今は針で雑巾も縫える。その子の能力に応じてできそうなときにやらせてあげれば年齢うんぬんは関係ないと思います。
オンライン授業も土曜日増えるのもいやで、月謝割引がないって怒ってるけど、じゃあ授業が全くなくて、月謝の割引さえあればそれでいいの？
ちがうよねーーーーー？？
ブラジル人ママたちはオンライン授業をあまり好意的に思っていない人たちが多いです。学校の時間割と同じようにパソコンの前でもちろん、学校と同じようには行きません。幼稚園児がオンライン授業が大変なのは分かります。でも小２だったらもうきちんと説明すれば理解できる年です。ファビもカルロスも6月から1日30分のオンライン授業はありました。ファビもいつも文句を言っています。
学校に行きたいよー！オンライン授業はつまらないよ～。こんなの体育じゃないよ～。
そうだね、早く行きたいよね。でも今おうちでできることは限られた場所でしか身体も動かせないし、先生も頑張って考えてくれてるから頑張ろう！
毎日30分のオンライン授業を1か月受けた後の様子
ファビは小２なので、30分くらいはとりあえず問題なく取り組めています。カルロスは最初は私の膝の上に乗せないとできない、やる気全くなし、あからさまに嫌な態度を取っていましたが、1か月が経ち、毎朝携帯の前で授業をやる、という習慣もすっかりつきました。最初は消極的だった発言も、今では先生に個々に聞かれたら、先生のまねをしたり、発言もするようになりました。クラスの子も同様の成長を見られます。
それに、前代未聞のこととはいえ、
オンライン授業も人生のとても良い経験になると思いませんか？
実は、通学の大学を卒業後、働きながら通信大学でも勉強していたことがあります。はっきり言って、通信の方が大変でした。基本、一人でもくもくと勉強するのでモチベーションを維持するが難しいです。だから娘の言いたいことは分かります。でもレポートが合格したときの喜びは通学大学の時以上でした。ブラジルも社会人になっても大学に挑戦したり、eラーニングで資格の勉強をする人も多いです。オンライン授業の経験は間違いなく、大人になってから役にたつと思います。
やっと本格的なオンライン授業が始まるので良かったです。ブラジルは日本のように授業参観のようなものがないため、保護者が先生たちの授業を見る機会がありません。オンライン授業で、どの科目でどんなことを学んでいるのか初めて知るよい機会でもあります。
A学校の校長と小学校のコーデイネーターの姿勢は不満ですが、それぞれの教科の先生たちは、回を重ねるごとに、どうしたら子どもたちがオンライン授業に気を向けさせることができるかそれなりに工夫して頑張ってくれています。明日からいよいよ、ファビの方は7時から12時20分まですべての教科のオンライン授業が始まります。通学時は7時半～12時でしたから、このようなスケジュールになったのは、明らかに4，5月と何もやってこなかった学校の責任です。月に1回は土曜日も授業、12月末まで、長期休みは返上です。
ブラジルのコロナの状況を見ると、子どもたちは本当に9月に学校へ果たして通えるようになるのでしょうか？
始まったとしても、今年はほぼ半年学校が休みだったことになることに関してはとても「かわいそう」です。
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